2020年5月10日日曜日

Yinyoo HX4 レビュー

 2019年8月の購入以来、気に入ってずっと一軍入りしているイヤホン。発売は2019年3月頃。Easy earphonesやWTSUNがSOLARISドライバーと謳って熱心に宣伝していた。SOLARISって何のことだ。未だによく分からないが。
Yinyoo HX4 (ブラウン)
<ドライバー構成>
・高音域用BA(Knowles)
・中低音域用2BA(Knowles)
・DD(低音域用?径不明)
以上の片耳4ドライバー3ウェイ。

<スペック>
・インピーダンス:19Ω
・ 感   度 :120dB/mW
・コネクタ形状 :MMCX

< 所 感 >
 2BAユニットが一つだけ若干斜めに入っていたので必死にライトで照らして刻印を確認した。Knowlesマークに30265。偽装でもしていれば別だが、おそらく本物だろう。Bellsingではない。この型にはセンタータップがついていないので他に見分ける手段がないのだ。他のBAユニットは真っすぐに入っており、ご丁寧にも全て刻印のある面が隠れる角度で実装されているため、殻割りでもしない限り確認する事ができない。折角良い物を使っているのだから刻印が見えるようにすれば良いのに…。
 おそらく専用設計シェルで、サイズは大きく重量も相応にあるが、フィット感が抜群に良く、装着感は好ましい。カーボン柄のフェイスプレートが美しく、高級感がある。が、ビルドクオリティは中華イヤホンとしては並といったところ。前述の通りBAが一本斜めに入っていたし(音導管にはちゃんと入っていたので音質面に問題はなさそう)、配線やはんだ付けは奇麗とは言えず、内部には気泡が見える(暗色のクリアシェルなので外観は損なっていない)。とはいえ、老舗メーカーでもこの辺りの品質は似たようなもので、イヤホンやヘッドホンは職人さんが手作りしているため品質が安定しない。いつかイヤホンも機械実装される日が来るのだろうか。まだ暫く無理だろうなぁ。
 8芯高純度銅ケーブルが付属している。ガイドチューブがパリパリ鳴るのが難点だが、チューブと言うより被膜に近く柔らかいため保持力が程好く装着感が良い。音質的な相性も良いようで、個人的にはリケーブルの必要性を感じない。むしろ変えたくない。

<ベントホール位置>
 ベントホールは1ヵ所ある。音漏れは少ない。

<ノズル径>
 太い部分が約6.4mm。
 細い部分が約5mm。


< 音 質 >
 低音域寄り。低音域は量感があり、それでいてボワつきは弱く芯が残っている。籠らないギリギリのところを攻めており、中音域にしっとりとした印象を与えている。ヴォーカルは埋もれていない。高音域はしっかり聞こえるが主張は強くない。音場は左右方向に若干狭いが、窮屈に感じるほどではない。ノイズ耐性は比較的高い。
 暴力的とか派手とかいった感じよりは、むしろシックな印象すらある。BAの分離感とDDの低音域が上手い具合にマッチした、チューニングセンスの光る良イヤホン。