2020年3月にSOUNDPEATSより発売されたTWSイヤホンであるTruebudsについてのレビュー。SOUNDPEATSはAmazonで低~中価格BTイヤホンの販売を長く続けている中華イヤホンメーカーの一つである。設立は2013年。私がこのメーカーのイヤホンを始めて手にしたのは2015年でQY7というモデルを買ったのだが、質感こそチープなものの音質がそこそこ良く、バッテリーのへたりが早い等といった不具合があるわけでもなく驚いたことを覚えている。
TruebudsはAirPodsに近いデザインの開放型イヤホンである。現在中華TWSイヤホンの主流は密閉型であり、開放型の選択肢はあまりない。発売時期の新しい製品をあさっていたところ本製品が購入候補に挙がった。知っているメーカーなだけに多少は信頼感もあった。開放型は周囲の環境音を聞き易く、歩きながら使用しても比較的安全というメリットがある。反面、遮音性は皆無であるし音漏れも大きいことから、通勤ラッシュ時の満員電車のような場での使用には向かない。
<ドライバー構成>
- 14.2mmバイオセルロース振動板1DD
大口径DD。同社から発売されたTrueAirというTWSイヤホンにも同様のドライバーが用いられていたようだ。
< 仕 様 >
- SoC : REALTEK RTL8763BFP
- Bluetooth5.0対応(AAC、SBC対応)
- イヤホン左右各1つのタッチセンサーによる操作
- 音楽連続再生時間:3.5時間(充電ケース使用で最大約70時間)
- イヤホン本体充電時間:約1.5時間
- ケース充電時間:約3時間
- USB Type-C充電(急速充電非対応。1Aまで。)
- USB2.0 Type-A出力によるモバイルバッテリー機能有り(5V/1A・2600mAh)
- バッテリーインジケーター機能(LED4灯)
< 外 観 >
ケースはプラスチック。そこそこ厚みがあるため脆弱な印象はない。ヒンジ部分の強度も十分にある。イヤホンは磁石により固定されるが、磁力は標準的。出し入れはし易い。2600mAhのバッテリーを内蔵するが、意外と軽い。
ケース側面には出力用のUSB Type-A端子と入力用のType-C端子がある。蓋の類はないため、必要であれば準備する必要がある。
イヤホン本体の材質はケースと同じプラスチック。こちらも十分な強度がある。耳にはまる部分の形状はEarPodsそのもので、装着感は良い。ただし、一体成型されておらず継ぎ目が複数見える。接着剤の劣化により割れる可能性は否定できない。穴の部分には目の細かなメッシュが貼ってあり、異物の侵入を防いでいる。なお、白いLEDは使用中には消灯する。
<動作安定性>
使えないレベルではないが、Jaybird VISTA等の上の価格帯の機種と比べると幾分劣る。スマホの近くで使用する分には問題ないが、隣の部屋に移動するだけで音切れし易くなる。人混みの中で音切れし易くなるのはTWSの宿命なので諦めよう。
ペアリングは早い。少なくともiOSデバイスについては直ちに完了する。左右イヤホン間のペアリングに時々失敗することがあるが、これについてはケースから出し入れするだけで解決する上、それほど頻発するわけではないので問題とまでは感じない。
他のTWSイヤホンにも言えることだがタッチセンサーは誤操作が多い。押し込みボタンのある機種の方が扱い易い。慣れれば使えなくはないのだが。
< 音 質 >
低音域がスカスカ。エージングしても全く改善しない。有線のEarPodsと比べても明らかに不足している。大口径ドライバーが採用されているため期待していたのだが…。高音域が強く、中音域はそこそこ出ている。定位や音場は問題ない。
マイク音質は悪くない。会話に支障をきたすような要素はないようだった。
< 所 感 >
MOONDROP 無名やSmabat ST-10、NICEHCK ME80等、開放型でも比較的低音域が良く出ている機種を好む私にとって、Truebudsは非常に不満のある音質だった。何とか耳(あるいは脳)を慣らそうと使用を継続してみたが、一向に受け付けず。仕方ないので音楽鑑賞以外の用途に割り切って使うことにした。開放型TWSイヤホンの購入候補としては他に1MORE ECS3001Bを考えていたのだが、あちらはケースにカバーがついていないように見えるし、充電端子がMicro USBであったりと使い勝手に疑問があったため避けてしまっていた。あちらの方が良かったような気がするし、あちらはあちらで後悔しそうな気もする…。