2012年7月13日金曜日

ポメラ DM20 レビュー


 pomera DM20は2009年12月11日にKING JIMより発売されたデジタルメモ(テキスト入力専用ツール)である。2008年11月10日に発売されたDM10の後継機で、ディスプレイの大型化・1ファイル辺りの文字数制限の緩和等といった改良が加えられている。プレミアムシルバーはカラーバリエーションとして2010年6月17日に発売された。DM20はファームウェアの更新が行われており、不具合らしい不具合は潰された状態と言って良い。

 テキスト入力に特化したシンプルなツールで、ワープロのような文字装飾といった機能こそ無いもののコンパクトで使い勝手が良い。キーピッチ17mmの折り畳み式キーボードはやや打ち込み辛く慣れが必要なのが難点。といっても若い方ならものの数時間の内に慣れる事だろう。ディスプレイは5インチでDM10より1インチほどサイズアップしており、解像度こそ変わらないもの視認性が向上している。単四電池2本で20時間もの動作が可能(eneloop使用時は15時間)となっている。

 さて、このポメラの魅力とは何だろうか。今でこそ13,000円程度で購入出来るが、メーカー希望商売価格は33,000円とちょっとしたノートPC並の値段だ。決して安くはない。単四電地仕様で即座に交換でき、かつ長時間動作する事はかつて大きなメリットであったが、最近は新幹線や喫茶店等に自由に使えるコンセントが多く設置してあるため、ノートPCのバッテリーもちを心配せずに済むようになった事でメリットが薄れた。電源投入時の立ち上がりの早さは圧倒的に優位だが、ノートPCもSSDが標準搭載されるようになってさしてストレスを感じなくなった。サイズはコンパクトながら胸ポケットにしまっておけるほどではない。背広のポケットに何とか押し込める程度。普段は鞄に入れて持ち運ぶ事になるだろう。どうせ鞄に仕舞うのなら小型のノートPCでも良いはずだ。何よりポメラはテキスト入力しか出来ない。ノートPCであればネットで調べ物も出来る。利便性を考えれば、多くの場合においてノートPCが勝るだろう。にも関わらず、私はポメラを愛用している。それは何故か。

 愛着の沸くツールなのだ。こぢんまりと、可愛くまとまっている。特にこの折り畳み式キーボードがキュートだ。開閉が手間だし耐久性も劣ると知っていてなお愛おしい。DM20の後継機であるDM100は利便性において間違いなく優位だが愛着が沸かない。それは折り畳み式キーボードをやめてしまったせいだと私は確信している。あれを使うくらいなら、それこそノートPCで良いように思う。

 調べ物はiPadで、書き物はポメラでというのが最近の私のスタイルだ。なんだかとても気楽なのだ。最終的にはPCで編集をするから、始めからPCでやってしまった方が手っとり早いのだが、PCだとどうにも肩に力が入ってしまう。ポメラにはそんな不思議な魅力もある。決して万人向けではない。よく、買ったものの使わずに仕舞っているなどという話を耳にするくらいだ。購入を検討されている方には是非とも実機を触って確認していただきたい。ピンとくるもののあったそこのアナタ、是非とも無二の相棒を手に入れて欲しい。

 ちなみに、DM20Y 由良拓也モデルという実売価格が割安な物もあるが、あちらは立ち上がる際にいちいち車のイラストが表示されて作業画面に至るまでの時間に遅延が生じるため、人によっては苛立つはずだ。あまりお勧めしたくない。
 また、ポメラは実店舗での取り扱いが少なくなかなか見つけられない。地方の家電量販店では見つけられないかもしれないが、ホームセンターに置かれている事もあるようなので、根気よく探してみて欲しい。

 余談だが、DM20にはケースが付属しない。やや割り高だが、純正品のDMC2の出来が良いのでお勧めしておきたい。サイズがピッタリだし、縫製も価格相応に良い。液晶保護シートについては、純正品にDMP5というクリーニングクロスとセットの製品が出ているが、こちらはかなり割高なので、半値以下で手に入るサンワサプライのPDA-F50をお勧めしたい。ちなみにどちらも反射防止加工がされている。覗き見防止シートも純正品としてDMB5という名で売られているが、これはもっと高い。実売価格2千円以上…ちょっと買うのを躊躇う値段だ。


KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM20 プレミアムシルバー DM20シル


KINGJIM 「ポメラ」専用ソフトケース DMC2クロ ブラック


KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM20用 保護キット DMP5
サンワサプライ 液晶保護フィルム(KING JIM pomera DM20用) PDA-F50
KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM20 用 覗き見防止シート DMB5