TDK LoR(Life on Record) CLEF-BAシリーズ
TH-ECBA700BK についてのレビュー。
普及価格帯であるCLEFシリーズ初のバランスドアーマチュア型イヤホンで、
2012年3月21日より発売開始された。
PORTA PROを彷彿とさせる若者向けのスタイリッシュなデザインが印象的。
イヤーホルダー機構という奇抜な構造の部分があり、
装着感を向上させている…らしいのだが、個人的に恩恵は感じなかった。
イヤホンにしては珍しく線材に力を入れている事を明言しており、
銅と銀の合金であるシルバーアロイとやらを使っているらしい。
しかしその線材の被服が厄介で、女性の髪留め用ゴムのような質感の
編み被服が用いられており、絡みにくい反面
どうしようもないレベルでタッチノイズが目立つ。
クリップを使ってすら、ガサゴソと異音が絶えない。
歩きながらカナル型イヤホンを使う事は安全面の観点から
まずないはずなので実用に支障は無いと思われるかもしれないが、
これくらい酷いタッチノイズになると
電車やバスの中で立ちながら聞いている時にも
身体が揺れる度にタッチノイズが入るはずだ。
このイヤホンの致命的な欠陥と言えよう。
音質面について。
入力インピーダンスが最近では珍しい事に55Ωもあるのだが、
DAP直挿しでも十分に音量は取れる。
特にポタアンが必要だとは思わなかった。
高インピーダンスの恩恵かクリアな音質な反面、
息苦しいまでに音が硬く感じられた。
国内メーカーの音作りにありがちな傾向であるため、
あるいはこれを良い音質だと感じる方もおられるのかもしれないが、
私は全く受け付けなかった。
頑張って2週間聞き続けたものの所謂”脳エージング”は起きず。
全く耳が受け付けない音というのは
このイヤホンが初めてかもしれない。
このイヤホンに合う曲というのが思いつかず、
他のイヤホンと使い分ける気にもなれない。
シングルドライバーなせいか分離度は低く、
下手をすると同価格帯のダイナミック型に劣る。
私の個人的な意見としては、
このイヤホンはお勧めしたくない。
ネットでレビューを検索してみると割りと高評価が多いようで
やや困惑しているのだが…。
私の耳がおかしいのか?
TDK LoR バランスド・アーマチュア BA型インナーイヤー CLEF-BAシリーズ TH-ECBA700BK