2011年2月19日土曜日

星の王子くん レビュー

 2011年1月28日にLeafから発売されたAVGである「星の王子くん」のレビュー。
作画はQP:flapperで間違いなく鉄板、シナリオライターもLeafの旧作で評価の高かった
Routesの永田和久先生という事で発売前から非常に期待していた作品だった。

 結論から言うと、作画は予想通以上に素晴らしかったもののシナリオでは期待を大きく裏切られた。ゲームシステムは今風で好印象。動作が重い等の不備は見られない。BGMはいつものLeaf。OP、EDは共に良い出来。余談だが今作にもLeaf伝統の長瀬一族が登場しており、長瀬のテーマのアレンジ曲も収録されている。

 具体的な部分に触れていこう。ネタバレは避けるようにしたい。まず、主人公の印象が極めて不快。特に乙女ゲーの類に耐性の無い男性プレイヤーは、プレイ時になるべく早い段階で主人公のボイスをOFFにしておく事を強く強くお勧めしたい。声優さんの技量を非難するつもりはない。単にキャストミスである。成人した男性の声で甘ったるくママママと連呼されれば気持ち悪くもなろうというものだ。なぜ女性声優を起用しなかったのだろう。購買層に女性を想定し、ショタ需要に期待していたのか?主人公は人格面においても特に魅力を感じなかった。作画だけは抜群に可愛かったのだが。

 次に、全体的にテンポが悪い。ボイス再生も相当な量を飛ばしてしまった。だらだらとした必要性を感じない文が続く場面がしばしば見られストレスを感じた。各シーンの割合もおかしいように思う。こまけぇ事はいいんだよ!の精神が通用しないレベルで酷い設定や演出があり、物語に没頭できなかった点もテンポが悪いと感じた一因かもしれない。

 エロシーンの完成度は高い。ユーリルートは新しい世界を開拓してしまった感すらある。しかし抜きゲーと呼ばれる類のものにはこのくらい刺激的なものはざらにあるし、各ルートの概ね終盤に3本(?)程度しかないボリュームも考えれば、エロシーンのためだけにこのゲームを買え!とまで言い切れる魅力は無いように思う。

 Leafさんどうしちゃったんですか。キャラクター設定は魅力的だし企画が通るのは解るのだけど、シナリオが上がってきた時に誰も何も言わなかったのですか。素人目に見ても突っ込みどころ満載です。超展開はまだいい。演出で雰囲気作りすれば誤魔化せるし、勢いで押し切れる。でもその演出が滑ってしまっている。とまぁ過剰に期待していただけに憤慨しているわけですが、重ねて申し上げますがQP:flapper様のお仕事は素晴らしいです。是非またゲーム内でお目にかかりたい。