2012年5月23日水曜日

続・Media Keg MG-G708 (JVC KENWOOD) レビュー


2012/05/17に新しいファームウェアである 012.002.022.700 が公開された。 http://www2.jvckenwood.com/faq/mg_g708/index.html
同日にG608も 012.002.022.600 が公開されており、
G608の方が修正内容が幾分多いものの仕様が極めて近い事もあって
ほぼ同様の改善が行われたものと思われる。

更新内容には「アーティスト・アルバムの検索性の改善」とある。
以前のファームウェアには256個以上のアルバムやフォルダを
認識する事が出来ないという不具合があり、
選択出来ない曲が生じていた。
今回のファームアップにより、一見するとそれらが改善されたように思える。
しかし検証してみると、実はほとんど改善されていない事が分かった。

例えば、255枚のアルバムをリッピングし、
アルバム毎にフォルダを作成して
microSDHCに収録した時点では問題無い。
しかし、更にそこへ一つでもフォルダを追加すると
タグ管理やフォルダ表示に支障をきたして
選択できない曲が生じるようになる。
以前は曲名表示が狂うという分かりやすい現象があったが、
今回のファームではアーティスト・アルバム表示は
一見すると正常に動作しているように思える。
しかし実は表示件数が大幅に減るという不具合が生じているのだ。
つまり、相変わらず選択できない曲が生じているのである。

ファームウェア公開直後はすっかり勘違いして
認識制限数が大きく引き上げられたものと思ってしまい、
それはそれはぬか喜びしてしまった。

以前のファームでは確か「本体と外部の合計でフォルダ数が255個以下」とか
「アルバムタイトル等のタグ情報が各255件以下」
とかいった事が正常動作の条件であったように思う。
今回のファームアップにより、少なくともアルバムタイトルについては
255件以上の表示が可能となっている事を確認した。
フォルダ数もmicroSDHCのみで255個まで認識可能で、
本体の8GB分の記憶領域は別カウント扱いとなっている。

例えば、アルバム毎にフォルダを作らず、
ある程度フォルダを統合してフォルダ数を抑制してしまえば
従来以上のアルバムタイトルを認識させる事が出来る。

つまり、一応改善はあったという事になる。
それが期待程ではなかったというだけの話。


ディスコンにも関わらずG708を最後にファームアップしてくださった
JVC KENWOODには感謝すべきなのかもしれないし、
あるいはその新ファームもハードの限界に挑んだ
ギリギリまで切り詰めたものだったのかもしれない。
しかし、それでもやはり不満は残る。
microSDHC32GBが安価に普及し、
microSDXCなんて新規格も登場していた時期に、
新製品にも関わらずmicroSDHC16GBの使用を前提とした
仕様として企画した連中を恨まずにはいられない。
また、高圧縮ファイルを大量に収録して
帯域補完技術(Supreme)を生かすという使い方が難しい点も
企画段階で誰か気付かなかったのかと怒りすら覚える。
もしも「次」があるのなら、今度こそ完璧な物を作って欲しい・・・のだが、
なんだか撤退しそうな雰囲気で少し不安だ。