2013年3月16日土曜日

SE215SPE-A レビュー


SE215 Special Edition (SE215SPE-A)

2012年11月に発売された遮音性イヤホンで、
評価の高いSE215(2011年4月発売)のマイナーチェンジモデルである。
美しいトランスルーセントブルーのボディと
強調された低域が特徴で、
実売価格が1万円を切る下位モデルながら
上位モデルと同様のリケーブル仕様となっている。

国内正規流通品のモデル名はSE215SPE-Aとなっている。
末尾のAはおそらくAsiaではなかろうか。
SHUREアメリカのサイトにはSE215LTDという製品があるが、
仕様は全く同じなようだ。
というのも、SE535LTD-Jはアジア限定版とされており、
アジア外で販売されているSE535LTDは
音質が異なるらしい事が知られている。
SE215SPE-Aはそういう特別な物ではなく、世界共通仕様のようだ。


音質について。
各所のレビューでドンジャリという表現が散見されるが、
私は「ジャリ」の部分はさして強調されていないように感じた。
つまり、メーカーの謳い文句通りの低域強調型、という印象である。
暴力的な低域ではなく、どこか品のある暖かな低域だ。
良い言い方をすれば、角のとれた、厚みのある音。
悪い言い方をすれば、分離度に欠いた篭った音。
低域強調型の宿命と言うべきか、聞き疲れはし易いかもしれない。

遮音性は抜群に優秀で、
メーカーによると37db程度の騒音を遮断出来るらしい。
歩きながらの使用は避けたいところだ。

全体的に質感が良く、外観上は脆弱な印象が無い。
ケーブルは太目で一見すると扱い辛そうに感じられるが、
長さが116cmと短目な事もあってむしろ扱い易い。
ケブラー補強されているそうで、
満員電車等、物がひっかかり易い場面でも安心して使用出来る。
クリップ等用いずとも、重さが不快になる事はなかった。
ところで、リケーブルに用いられるMMCXコネクタという規格は
しばしば個体差や早期故障といった不具合が指摘されており、
やや不安な要素ではある。
幸いにもSE215SPE-Aについては
そのような報告が多いという話は聞かないが、
購入は保証を受けられる正規代理店をお勧めしたい。


一点注意すべき点がある。
プラグ部分が太くなっており、
例えばスマートフォンのジャケットといった物に
干渉して挿さらない可能性があるのだ。
SHUREは直挿しを推奨していないのだろうか?
ヘッドホンアンプを使えというメッセージに思えなくもないが、
単に高級感を重視した結果な気もしなくもない。
このような形状にした理由を中の人に問うてみたいものだが。
直径10mmのスペースを確保出来れば、まず間違いなく挿さるだろう。
メスプラグ周辺に干渉しそうな物がある場合は
延長ケーブルを別途購入する事で対応できるが、少々不恰好になってしまう。
プラグ部分を工作して交換する事も出来るが、
皮膜を剥がしたりと色々面倒なのであまりお勧めはしたくない。
他社製のケーブルに変えてしまうのがスマートかもしれない。


総評として、私の主観としてはお勧め出来る良いイヤホンなのだが、
最近流行のモニター向け高分離度イヤホンとは全く異なる音作りなため、
人を選ぶという表現が適切なように思う。
抜けの良い軽快な音が好みというかたは避けた方が無難だろう。


【国内正規品】 SHURE 高遮音性イヤホン SE215 Special Edition トランススルーセントブルー SE215SPE-A


SwitchEasy Mini-Stereo Extension Cable Adapter for iPod 8cm/Black
JVCケンウッド(ビクター) DAP用延長コードステレオミニプラグ-ステレオミニジャック(0.3m)ブラック CN-M30-B


ASR-120Wイヤホンケーブル(ワイヤあり) for SHURE SEシリーズ
ASR-120イヤホンケーブル(ワイヤなし) for SHURE SEシリーズ



余談ですが。
光の当たり方によりますが、屋内であれば
ミクブルー(NW-S764)より若干暗い青なはずです。
色的には合っている方かと。
音質的な相性は微妙なところですが、
EQ等の使用に抵抗のない方であれば問題ありません。