2013年5月28日にムックより発刊された
DigiFi No.10(別冊ステレオサウンド)の特別付録、
Olasonic & DigiFi共同企画の
USB DAC付きヘッドフォンアンプについてのレビュー。
以前の投稿で、在庫が潤沢のようだから
急いで買わないでも大丈夫そうだよ、などという事をのたまってしまったが、
全然そんなことありませんでしたゴメンナサイ…。
発売一週間前には各所で売り切れ状態になっていた模様。
今では通販サイトで軒並み全滅、プレミア価格での販売となってしまっている。
私は改造でもして遊ぼうとAmazonで3つほど予約購入していたのだが、
発売日直前に「購入制限を設けたから予約2つほどキャンセルな」と
KOnozamA通知を受けてしまい…。
急いで近所の本屋を駆け回って数は確保出来たものの、
もうあんな思いはしたくないなぁ。
Amazonさんもうちょっと在庫管理を頑張ってくれまいか。
さて本題。
「初心者もこんなに楽しめちゃう」などと
あたかも初心者向けかのような事が表紙に書かれているが、
どちらかというとこれは中級者向けなように思う。
最近の流行はBAドライバ搭載のカナル型イヤホンで、
低価格帯のシングルBAが入門者を中心によく売れているようだが、
それら低インピーダンス高効率のカナル型イヤホンとの相性は
お世辞にも良いとは言えないからだ。
ホワイトノイズが目立ってしまう。
つまり、再生機器をある程度選んでしまうのだ。
あまり知識の無い初心者がXBA-C10辺りを繋いで
「何だこのノイズは…所詮は付録クオリティーだな…。」
などと落胆しかねない。
違うのだ。
ヘッドホンを繋いで聞いてみて欲しい。
それも出来るだけ高性能なものを。
我が家のフラッグシップはHD650であるが、
この高インピーダンスヘッドホンでもそれなりに鳴らす事が出来る。
勿論ホワイトノイズは気にならない。
3,300円とは思えない高音質を楽しむ事が出来た。
コンデンサの交換によりホワイトノイズを
低減させる事が出来るかもしれないが、
初心者に無鉛はんだをひっぺがして交換しろというのは
酷な話である。
というか、はんだごてを持っていない方が多いのではなかろうか。
そんなわけで、ヘッドホンをお持ちでない初心者の方には
もう5、6千円出してでも通常製品の購入をお勧めしたい。
音質は、低域寄りの中域がやや前に出ているような印象か。
ヴォーカルに厚みが感じられるこの音の作り方は
Olasonic製スピーカーによく見られる傾向だ。
数値上はフラットではないが、主観的には自然に聴こえる。
分離度や音場もなかなかに優秀で、
個人的にはかなり好みの音質だ。
次にRCA出力について。
この付録に単体DACとしての機能を期待した方も
多いのではなかろうか。
ヘッドフォン出力とRCA出力はそれぞれに
専用のオペアンプが与えられているため、
実はRCA出力もヘッドホン出力に劣らず高音質であったりする。
ハイレゾ音源にこそ対応していないが、
CDをリッピングして聴く程度の範囲であれば
十分な性能と言えるのではなかろうか。
私はNFJのTA2020キットやYDA138キットに接続して使用しているが、
特に不満に感じるところは無かった。
使い勝手について。
懸念されていたアナログボリュームコントロール非搭載による
弊害はほとんど感じられなかった。
デジタルボリュームコントロールボタンが押し込みだけでなく
押し上げ・押し下げでも動作するので操作性が良い上、
デジタルの特権であるギャングエラーの無さもあって
思いのほか使い勝手が良い。
ヘッドホンジャックが3.5mmだったのがやや残念か。
ヘッドホンの使用が前提なのだから、6.3mmでも良かったように思う。
総評として、お勧め出来るDAC付きヘッドフォンアンプだ。
ケースを自作するなり、専用ケースを購入するなりすれば
長いお付き合いが出来るのではなかろうか。
この価格であれば改造に躊躇せずに済むので、
コンデンサ交換やらで遊んでみるのも一興だ。
私は早速部品の発注を行った。
近日中にコンデンサ交換のレビューを上げるかもしれない。
(追記)
RCA出力でイヤホンを繋げばBAドライバ搭載カナル型イヤホンでも
ホワイトノイズは全然気にならないという話を聞いたので
試してみたところ本当にノイズが感じられません…。
ひょっとしてヘッドホン出力いらな(ry
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